PDFデータ版


ゴミと堆肥
掛川市は令和4年度に一人当たりのゴミ排出量が全国2番目に少ないことが発表されました。※1(令和3年度は1位)この流れの中で、当研究会も掛川市で発足したエコネットワーキング協議会に数年前より参加してきました。協議会では、本年過去にも行われていたコンポスト「キエーロ」について再度協議し、現代の暮らしに即した形で普及、その堆肥を活用する方法を模索しました。時代と共に多様化する住居や生活様式に対応するために従来のサイズより小型の「ミニキエーロ」を試験運用しました。低コストで導入でき、移動が比較的簡易であることが良さではありますが、試験によるアンケートからはまだ処理能力の限界など課題が見つかりました。また、現在ゴミとして焼却炉に持ち込まれる草葉木を減らし腐葉土として共同で作る仕組みを検討しています。
食と現代
会長に任命頂いてから間もなく1年となりますが、まずは会員の皆様には活動の継続などのご不安をおかけ致しましたことを深くお詫び申し上げます。私がこの1年の中でエコロジーライフ研究会はどの様にあるべきなのかと過去を調べ現代を見つめ悩んだことを今回はお伝えしていきたいと思います。米倉さんと共にここ数週間毎週の様に話し、議論した私の今の考えからお伝えしますと、身近な畑で無農薬、無化学肥料で野菜を栽培しそれぞれに価値を感じながらその楽しさや環境負荷を減らす取り組みを広める活動を行うという所に落ち着きました。この考えに至るまでにかつての想いや意思を調べ伺いながら、無農薬無化学肥料で栽培することの弊害や地球環境問題、世界人口増加による食料問題、コールドチェーンなどの輸送網が抱えるリスク、戦争などの非常時に起こる食料輸入リスクなど食に関わるありとあらゆることを国内外の専門家と議論してきました。しかしながら、私たちはそういう大きな波を個の力だけでは変えられるものでは無く、そのリスクはいかに予想を立てたところで限界があります。では私たちは何をするのか?大手企業では出来ないことを個々で楽しみながら野菜作り、自分の住む少し外側の世界を豊かにしていく。その中小と個が集まり徐々にその世界が広まると、それはひとつの波になると思います。近年は掛川市もオーガニックビレッジ宣言を行うなど有機栽培に積極的に取り組んでいます。宣言以前からも農業体験への参加者が例年より増え、ますます農業と生活の繋がりを体感していただく場として重要になってきています。私自身も今年1年は農業と広義での教育について考えるきっかけを得る重要な年となりました。これも会員の皆様に支えて頂けたお陰だと考えています。ありがとうございました。
新年度は昨年の気候的要因で生育できなかった作物の改善や引き続き研究会の活動に共感していただける仲間を募り、共に学ぶ場を設け、圃場での作物種類の増加や堆肥作りなどの実験、より実り豊かな活動を行いたいと思います。 今後とも皆様のご指導ご鞭撻を何卒宜しくお願い申し上げます。
圃場(当研究会試験場)(畑)
ご意見、ご教示、参考文献等の情報お願い致します。
住所:静岡県掛川市初馬3042-1
面積:808㎡(8.08a / 約8畝 / 約244坪)
当会使用以前の栽培作物:そば
土質:田んぼ後に山林残土積み上げ
水はけ:豪雨の後1日は水溜まりあり、稀に石(卵程)あり

【昨年度の状況】
8月に豪雨があり、サツマイモの畝間に水たまりが発生。雨の集中期間があったが、高畝(30cm以上)、黒マルチシートを使用したためサツマイモは順調に生育。ただし食味はあまり良くなかった。黒大豆(7/23作付)はおおよそ順調に生育(マルチなし)。大根(9/10作付)はまばらにのみ成長。10月の大雨で水たまり発生。同時期作付のじゃがいもは発芽せず。じゃがいもに関しては近隣の畑でも同じ現状が見られたため、猛暑からの急激な寒冷で発芽しなかったと考えられるが詳細不明。大根とじゃがいもはマルチなし。まだ土壌が固くへばり付くような粘土質に近いため、今年度は土壌改善、水はけ改善を行いつつ栽培作物を増やし微生物の生育環境を整えていく。
【2024.4土壌改善】:しばちゃん牧場牛堆肥300kg程度、明星、苦土石灰投入および耕うん
【栽培予定】:6月 紅はるか,夏野菜 / 7月 黒大豆 / 9月 じゃがいも,大根 / 11月 キャベツ,タマネギ



令和5年度 ユニバーサル農業体験
今年度の農業体験は、昨年度と同様にチラシ、口コミPRなどで募集し、4月30日に掛川市生涯学習センターにて参加申し込み説明会を行い、親子15組52人の参加となりました。5月21日には田植えを行い、今年度の農業体験スタート。途中、除草やかかし作りを行い、稲の健やかな成長を見守りました。9月24日には無事に黄金色の稲を収穫することができました。また、初馬の畑では耕起・畝作り等の栽培準備を経て、サツマイモの蔓挿し、ジャガイモの種芋作付け、大根の種まきを行いました。好天続きによる水分不足や暑さの為か、ジャガイモと大根の収穫が思わしくなく残念ではありましたが、サツマイモは豊作で参加者の笑顔が溢れました。また、今年も「ふっこう支援掛川」のご協力で、山の斜面の畑にて梅の収穫を行いました。「しばちゃん牧場」での乳搾り体験・バター作りは初体験の参加者からは感動の声が上がっていました。年明けには天然寺さんの敷地内にてお餅つきを行い、修了式としました。皆で協力して仕上げたお餅の美味しさは格別で、参加者同士の会話も弾みました。地域の皆様、バックヤードで御協力いただいた皆様、場所や道具、食材等を御提供下さった皆様など、多くの方々に支えられての活動でした。心より感謝申し上げます。

