親子エコ農業体験教室の開催とその目的

親子エコ農業体験教室の活動目的は、自然環境教育と健全な心身の育成及び生きがい対策の探求です。

 研究会発足時の農業は、化学農薬と化学肥料を大量に使い、収量を増やす栽培方式が主流でした。有機農業は例外で全く認知されていませんでした。農業従事者は減少高齢化、耕作地も減少、荒廃し、県の農林大学校を卒業しても、農業を職業として選択する人が一人もいない状況でした。又、親子の絆は断絶し、家庭内暴力事件が新聞の社会面を賑わしていました。

 農業(農作業)の多面的教育効果を活用して、親子で参加する「親子エコ農業体験教室」をエコロジーライフ研究会発足3年目から始めました。教室では農作物を収穫する喜びを得るだけでなく、気候、土壌、水などの自然環境、労働の厳しさ、大切さ、参加者同志の交流、仲間づくりを体験。終了式には体験感想文の発表、作業風景絵画の展示、参加者と会員との意見交換など、親子でいろいろな体験ができるように工夫しています。

 体験教室は四季を感じることができるように、春には茶摘み、筍掘り、夏には除草、秋にはいも掘り、稲刈り、冬には餅つきを盛り込んでいます。

 主な参加者の対象は小学生親子で、幼い時から農業について感心を抱き、その大切さを理解していただければと考え活動しています。

 具体的内容は、農作物の種播き、植え付けから収穫までの管理、収穫物を調理し食するまでとしています。その他みそ作り実習や、牛乳・菓子加工製造工場及び農業研究機関の見学と、幅広い内容で、日頃接している食品への理解を深めることができるようにしています。

 農業は「人間の命を支える大切な産業」です。稲、野菜、家畜など生物の命を育てる職業が農業であり、その収穫物(命)を食することで、私たちは命を繋ぎ生きています。私たちは生きていることに感謝し、命は大切にしなければなりません。

 農産物の収穫量は自然環境に大きく左右され、安定した量が確保されている訳ではありません。私たちは常に自然環境に関心を持ち、その保全に努めることが必要です。体験教室は自然環境が私たちの生活に、密接な関係をもたらしていることを理解して欲しいと願い活動しています。  体験教室がこうして長く活動できたのは、本会会員や関係機関など多くの方々のご支援、協力で成り立っています。体験教室で使用している農具、資材等の調達には、日本財団や静岡県からの助成金を活用しています。

熊 谷 篤